こんにちは、猫のスペッキオだ。
今回はこんなことを考えている人間たちに対して、スペは話がある。
・猫のブラッシングってどうすんの?
・そもそもやる必要ある?
・うちの猫ブラッシング嫌がるんだけど・・・。
このようにブラッシングに関する悩みを抱えている人間は多いだろう。
だが、猫にとってブラッシングとは重要なグルーミングだ。
猫にとっても飼い主にとっても素晴らしいメリットばかりなんだ。
自分と暮らす猫たちのことを思慮し、より良い生活を与えたいと考えている優しい人間たちに、是非スペの話を聞いて欲しい。
スペの今回の話を聞くことで多くの気付きを得ることが出来るだろう。
スペはペット看護師・ペットセラピストなどの資格を有している、安心して楽に話を聞いて欲しい。
きっとこのように感じて貰えるだろう。
猫と、そして飼い主の安心に繋がるはずだ。
冒頭
スペさ〜ん、ちょっとこっち来て下さい。
ブラッシングしますよ〜。
それはありがたいな。
スペも丁度そんな気分だったぞ。
・・・おい、しんたろ。
その手に持っている物は何だ?
え、クシですよ。
いつだったか利用したボロボロのビジネスホテルのアメニティからパクってきた今にも折れそうなクシです。
そして僕の使用済みです。
そんな人間でも使用を躊躇うようなものでスペにブラッシングしようとするな。
そもそもお前は猫にブラッシングをする理由を分かっているのか?
え、何でしょう?
なんか・・・、何となく?
まったく、しょうがねーな。
今回はスペがブラッシングのイロハを教えてやろう。
ありがとうございます!
ブラッシングはグルーミングの内のひとつ
さて、ブラッシングのメリットや方法を解説して行く前に伝えておくことがある。
それはブラッシングと言う行為はグルーミングの内のひとつだと言うことだ。
グルーミングとは動物のお手入れ全般のことを指す。
・ブラッシング
・爪切り
・シャンプー
・歯磨き
・目、耳、鼻のケア
様々なグルーミングが存在するが、どれもある程度「身体を拘束」して行う必要があり、猫から嫌がられる傾向にあると言うことだ。
爪切りを嫌がる猫は非常に多いし、シャンプーなど言うまでも無いだろう。
その中でも今回フォーカスして話すブラッシングは、比較的猫にとっても馴染まれやすく、そして費用対効果も高いとスペは考える。
ブラッシングが大好きな猫は非常に多い。
純粋にブラッシングを楽しみにのひとつとして思ってもらえるのは飼い主にとって嬉しいよな。
そして猫がブラッシングに慣れるということは、他のグルーミングのしやすさにも繋がってくる。
つまりお手入れの登竜門と思って取り組んで貰いたいんだ。
・ブラッシングはグルーミングというお手入れの一種。
・ブラッシングに慣れることで、他のグルーミングもしやすくなる。
ふむふむ。
ブラッシングが他のグルーミングのトレーニングになってくるってことですね?
少々硬い表現だが、そう解釈して貰っても問題無いだろう。
そして何よりブラッシングの持つポテンシャルは凄いぞ、メリットしかない。
ブラッシングの5つのメリット
毛艶が良くなり、美しくなる
シンプルにして絶大なメリット、それが猫を美しくできる、だな。
当然ではあるが、ブラッシングを行うことで埃や塵などの汚れを取り除き、毛並みを整えることでスペたち猫の本来の美しさを引き出すことが出来るんだ。
人間でも髪ボサボサなヤツとしっかり整髪出来ているヤツとでは比べるまでも無いだろう。
猫は本当に美しい、是非飼い主が最大限までその美しさを引き出してやって欲しいんだ。
病気の早期発見に繋がる
2つ目のメリットは、皮膚病などをいち早く発見し、病気の進行が浅い内に治療が行える点だ。
・皮膚炎
・腫瘍
上記の2つが日頃からのブラッシングで早期発見ができる病気の代表例だな。
脱毛の箇所があれば皮膚が炎症していることが分かるし、シコリのようなものがあれば腫瘍の可能性もある。
勿論上記2つ以外にも様々な病気があり、その病気の多くは観察だけではなく実際に触れてみないと気付かないことが多い。
この世の全ての生き物の病気への最も効果的な対策方法は、早期発見と言っても過言では無いほど重要なことだ。
言葉を喋れない猫なら尚更だな。
血行が良くなるマッサージ効果が期待できる
3つ目のメリットは、皮膚を刺激することによる血行の促進だな。
要はマッサージのようなものだ。
お前たち人間もマッサージがどれだけ体に良い行為なのかはその身を持って実感していることだろう。
全身のむくみが解消され、リラックス効果がある点は人間も猫も変わりは無い。
コミュニケーション行為にもなり、信頼関係を築ける
4つ目のメリットは、ブラッシングをすることで猫と仲良くなれる、だな。
ブラッシングに慣れさせて気持ちの良い行為なのだと猫に認識して貰えればもう飼い主の勝ちだ、大勝利だ。
気持ち良いことをしてくれる存在を信頼しない理由が無い。
母猫が自分の子猫を舐めてブラッシングをしている微笑ましい光景を目にしたことがあるだろう、要は飼い主がそれと同じことをしているのだ。
ブラッシングは愛情を形にして猫に注ぐことが出来る優秀なコミュニケーションツールだと言うことを覚えておいて欲しいぞ。
嘔吐の回数を抑えられる
5つ目のメリットは、毛玉の吐き戻しを抑えられる、だな。
そもそも猫はよく嘔吐する生き物だが、その大半は毛玉の吐き戻しだ。
毛繕いで舐めとった毛が一定以上溜まり、飽和して嘔吐することで体外へ排出すると言うことだな。
当然ブラッシングを行うことで抜け毛の大部分をあらかじめ取り除くことができ、猫の毛繕いで飲み込む毛の量を抑えられるという訳だな。
毛玉の嘔吐自体は珍しいことでは無いのだが、毛球症と言って毛玉が消化器官に詰まってしまうという病気の予防にもなるんだ。
・ブラッシングは、猫を美しくさせる。
・ブラッシングは、病気の早期発見に繋がる。
・ブラッシングは、猫の血行を良くする。
・ブラッシングは、猫と仲良くなれる。
・ブラッシングは、猫の嘔吐を抑えられる。
はえ〜。
ブラッシング良いこと尽くしじゃないですか。
そうだろう。
是非ともやって欲しいグルーミングだな。
さて、いよいよ実際にブラッシングのやり方について話していくぞ。
待ってました!
ブラッシングのやり方
さて、具体的なブラッシングのやり方を説明する前に次の前提を知っておいて欲しい。
スペが良く言っていることだが、ブラッシングに無難はあっても正解は無い。
ブラッシングする箇所や順番、方向など様々な答えがある。
長時間じっくりやって欲しい猫がいれば、短時毛の流れは間でサッとやって欲しい猫もいる。
ソフトタッチを好む猫がいれば、強めの刺激を欲しがる猫もいる。
これから話す方法はあくまで一例だということを承知して貰いたいんだ。
この一例をベースに、自分なりの答えを探して行って欲しい。
① 全身の毛のもつれをクシや手でほぐす。
② 顔・頭を毛並みに沿ってブラシを入れていく。
(※顔の毛の流れは、顔の中心→外側)
(※頭の毛の流れは、顔側→首側、中心→外側)
③ 首・背中を毛並みに沿ってブラシを入れていく。
(※首・背中の毛の流れは、頭側→尻尾側、中心→外側)
④ 足を持ち上げ、毛並みに沿って足の付け根にブラシを入れていく。
(※足の毛の流れは、付け根→足先)
⑤ 前足の付け根に手を入れてひっくり返し、お腹を毛並みに沿ってブラシを入れていく。
(※お腹の毛の流れは、頭側→尻尾側)
⑥ 尻尾を毛並みに沿ってブラシを入れていく。
(※尻尾の毛の流れは、付け根→尻尾先)
⑦ 最後にクシを使って全身の毛並みを整える。
ざっと流れを説明したが、勿論この通りにする必要は全くない。
特に④⑤の工程の足やお腹を触られることを嫌がる猫は多い。
省いた分、気持ち良くなってくれる他の箇所にウエイトの比重を置くといいぞ。
・猫が嫌がったら、すぐやめる。
当然のことだが、猫が嫌がるそぶりを見せたら、すぐに中止してやって欲しいんだ。
「猫の健康の為だから」と無理やり行う行為は独りよがりでしかない。
大前提として、ブラッシングは猫を気持ち良くさせる行為だということを念頭に置いて欲しい。
それでもブラッシングを嫌がる猫に対しての工夫は後述するので、少し待っていてくれ。
・ブラッシングの方法に、無難はあっても正解はない。
・自分の猫に合うブラッシングの方法を模索し続けることが大切。
・猫が嫌がったら、すぐ止める。
ブラッシングの頻度
スペさんスペさん。
ブラッシングのやり方は大体理解出来たんですが、これってどれくらいの頻度でやるんですか?
年末とかに1回ブラッシングで足りますか?
お前、スペたち猫のブラッシングを大晦日の大掃除か何かと勘違いしていないか・・・?
・短毛種・・・週に2回
・長毛種・・・1日に1回
これが一般的なブラッシング頻度の目安だ、あくまで目安でしか無いがな。
おおう、結構な頻度ですね・・・。
スペさんみたいな毛の短い猫は、週2回ですか。
ああ、目安だとそうなるな。
しかし、正直に言わせて貰えば、スペは毎日ブラッシングして貰いたいな。
ブラッシングは気持ち良いし、何より飼い主との大事なスキンシップなんだ。
長毛種短毛種限らず、毎日の日課にすることを強く勧めるぞ。
はい、そう言われちゃ喜んで毎日ブラッシングしますよ!
うむ、頼んだぞ。
・ブラッシング頻度は、短毛種が週2回、長毛種が1日1回。
・できれば毎日やることがオススメ。
スペさん。
クシだったりブラシだったりと、いくつか種類があるんですか?
ああ、ざっくり分けて5種類ほどあるぞ。
うわあ、やっぱり。
僕に使い分けられますかね・・・?
勿論だとも。
それぞれの特徴とともに詳しく説明していくぞ。
ブラシの5つの種類
ピンブラシ
主に毛の長い部分に使用されるブラシだな。
ピンの先が丸くなっており、皮膚が傷つかないように配慮されているぞ。
ラバーブラシ
柔らかい樹脂で作られているブラシで、短毛種の猫へのブラッシングに適しているブラシだな。
その柔らかいタッチからブラシの中で最もマッサージ性の側面が強く、猫の血行を良くする効果が期待できる。
スリッカー
多数の鋭いピンが付いているブラシだ。
被毛を取ることに長けている、どちらかといえば長毛種向きのブラッシングを得意としている。
クシ、コーム
細かい部分に使用されることの多いブラシだな。
毛のもつれをほどくことや、毛をとかして整えることが得意なブラシだ。
ファーミネーター
これは種類というか商品の名前だな。
非常に有名なブラシで、被毛を取り除くことに特化している。
ほんと驚くくらい取れるぞ。
う〜ん、たくさんあるなあ。
スペさん、これ全種類揃えなきゃダメなんでしょうか?
そんなことはないぞ。
勿論多くの選択肢があった方がいいには違いないが、大切なことは自分の猫が気持ち良くブラッシングを受けてくれるかどうかだ。
そうだな、まずは1つか2つほど揃えてみて、それから状況と相談して考えればいいんじゃないか?
スペさんスペさん、早速オススメ教えてくれませんか?
あくまで目安で指標で一例だということは勿論分かっていますよ。
しょーがねーな。
まあひとつくらい指標があってもいいかもな。
スペはコングの「ラバーブラシ猫用」をオススメするぞ。
・マッサージ性が非常に高く、猫が気持ち良くなってくれる傾向が強い!
・柔らかく、安全性が高い!
・抜け毛がゴッソリ取れる!
コレほんと気持ち良いぞ、スペ好きだ。
あとビックリするくらい被毛が取れるしな。
ブラシの中でも比較的安価な方だし、ひとつ持っておいて絶対に損はないな。
へええ、なんかこっちまで気持ち良くなってきますね。
ついでにもうひとつオススメだ。
ブラシでは無いんだが、飼い主の服に付着した被毛をとるお掃除グッズだな。
猫壱の「抜け毛取りワイパー」だ。
・手軽にパッと使える!
・コロコロのように使い終わった後の手間が無い!
・ガッツリ手早く抜け毛を回収出来る!
猫の抜け毛付着問題は猫飼いの永遠のテーマだ。
特に換毛期は被毛量が増えて、中々に手強い相手となる。
コロコロワイパーで対処することが往年の定番だが、この「抜け毛取りワイパー」はコロコロのように粘着テープを剥がすという面倒な一手間が無い。
本当にサッと使えてオススメだぞ。
・ブラシは大きく分けて5種類ある。
・自分の猫に合わせたブラシ選びが大切。
・中でもラバーブラシがオススメ。
でもですよ、スペさん。
やっぱり世の中にはブラッシング苦手な猫もいるんじゃないですかね?
ああ、少なからずそういった猫はいるな。
冒頭でも言ったが、そもそも猫は拘束されることが嫌いな生き物だ。
グルーミングは拘束の色が若干あることは否定できんからな。
ブラッシング嫌いなら、もうどうしようもないんでしょうか?
勿論ムリヤリやっても意味ないってのは分かるんですが、どうせなら多くの猫にブラッシングの気持ち良さ分かって貰いたいですよ・・・。
ほう、なかなか良い意見を持ってるじゃねーか。
そういうのスペは嫌いじゃないぞ。
無理強いさせるのではなく、飼い主の工夫でブラッシングに目覚めて貰うことは充分可能だぞ。
え、そんなのあるんですか!?
ああ。
上手くコントロールしてやって欲しい。
ブラッシングを好きになって貰う3つの方法
オヤツと一緒にブラッシングする
1つ目の方法は、オヤツを提供しながらブラッシングを行う、だな。
ちょっと間の抜けた図式に見えるかもしれないが、効果はかなり期待できる。
すり込みや条件付けとも言うが、このやり方は即効性が高く、かつ続けることでより確実になっていく。
具体的には飼い猫の好きなオヤツを少量提供し、ブラッシング、また少量提供、ブラッシング、といったように交互に少しずつ行うことがポイントだ。
だが、ブラッシングを始める前にオヤツをあげてもいいし、終わった後に我慢したご褒美としてあげるでも良い。
単純と侮るなかれ、この方法はさまざまな躾にも有用だ。
覚えておいて損はないぞ。
リラックスしているタイミングを狙う
2つ目の方法は、猫がリラックスしている状態でブラッシングに臨む、だな。
どのタイミングでリラックスするかはその猫次第だが、多くの猫は食後にリラックスして警戒心が薄れる傾向にある。
食後にのんびりしている雰囲気なら、思い切ってブラッシングに誘ってみろ。
「めんどくせーけど、まあ今なら付き合ってやるよ」と触らせてくれる絶対時間が伸びるはずだ。
日頃から触れ合うスキンシップを行う
3つ目の方法は、常日頃から猫に触ることで慣れさせる、だな。
これはブラッシングのみに留まらないが、人から触られることに慣れさせることは非常に重要だ。
勿論嫌がる猫に無理矢理力づくでタッチしろと言っている訳ではない。
短時間で猫の嫌がらない範囲で撫でるなど、触られることに慣れることは猫にとっても飼い主にとっても大切なことだ。
・頭
・首
・背中
中でも上記の3箇所は比較的猫が触られても嫌がらない箇所だ。
まずは一瞬でも構わないからこの部位を優しく撫でることから始めよう。
これを1つ目で話したオヤツをあげる方法と組み合わせることも有効だぞ。
・オヤツと一緒にブラッシングで慣れさせるも良し。
・リラックスしているタイミングを狙うべし。
・日頃から触れ合うスキンシップを行うことが重要。
・どうしてもブラッシングが苦手なら無理にさせる必要は全く無い。
まとめ
さて、ブラッシングの素晴らしさを話した訳だが、どうだ?
しんたろ、少しは理解できたか?
はい!
ブラッシングって思った以上に多くの意味を持っていたんですね。
いつも言っているが、一度に全てを覚える必要は無いぞ。
疑問に思った時に少しずつ学べば良い。
はい、ありがとうございます!
先述したことだが、ブラッシングは愛情を形にして猫に注ぐことが出来る優秀なコミュニケーションツールだ。
是非とも自分の猫とのスキンシップをはかってやって欲しい。
うんうん、大切にしなきゃですね。
メリットなど機械的なことを色々言ったが、結局は猫の気持ち良さそうな顔が見たい、そんな程度の気持ちで良いと思うぞ。
そんな気持ちこそ、最も大切だとスペは思う。
はい!
スペさん、早速ブラッシングしてあげますね!
いや、なんか今は気分じゃねーな。
また今度な。
・・・。
(猫って本当に気まぐれだなあ。)
・ブラッシングはグルーミングというお手入れの一種。
・ブラッシングに慣れることで、他のグルーミングもしやすくなる。
・ブラッシングは、猫を美しくさせる。
・ブラッシングは、病気の早期発見に繋がる。
・ブラッシングは、猫の血行を良くする。
・ブラッシングは、猫と仲良くなれる。
・ブラッシングは、猫の嘔吐を抑えられる。
・ブラッシングの方法に、無難はあっても正解はない。
・自分の猫に合うブラッシングの方法を模索し続けることが大切。
・猫が嫌がったら、すぐ止める。
・ブラッシング頻度は、短毛種が週2回、長毛種が1日1回。
・できれば毎日やることがオススメ。
・ブラシは大きく分けて5種類ある。
・自分の猫に合わせたブラシ選びが大切。
・中でもラバーブラシがオススメ。
・オヤツと一緒にブラッシングで慣れさせるも良し。
・リラックスしているタイミングを狙うべし。
・日頃から触れ合うスキンシップを行うことが重要。
・どうしてもブラッシングが苦手なら無理にさせる必要は全く無い。
・ブラッシングは愛情を形にして猫に注ぐことが出来る優秀なコミュニケーションツール
最後までスペの話を聞いてくれてありがとう。
猫に対して何かしてあげられるお前の飼い猫は、きっと幸せだぞ。