こんにちは、猫のスペッキオだ。
今回はこんなことを考えている人間たちに対して、スペは話がある。
・猫のマイクロチップってよく分からないんだけど・・・。
・体内に機械埋め込むとか可哀想じゃない?
・そもそもお金と手間どれくらいかかるの?
このようにマイクロチップに関する悩みを抱えている人間は多いだろう。
現在の日本において、マイクロチップの認知度はまだまだ低い。
知っていてもあまり良くないイメージが先行しているかもしれないな。
だが、マイクロチップには猫と飼い主のためになる大きなメリットがあるんだ。
自分と暮らす猫たちのことを思慮し、より良い生活を与えたいと考えている優しい人間たちに、是非スペの話を聞いて欲しい。
スペの今回の話を聞くことで多くの気付きを得ることが出来るだろう。
スペはペット看護師・ペットセラピストなどの資格を有している、安心して楽に話を聞いて欲しい。
きっとこのように感じて貰えるだろう。
猫と、そして飼い主の幸福に繋がるはずだ。
冒頭
しんたろ。
お前さっきから何を作っているんだ?
あ、スペさん。
首輪につける迷子札作っているんですよ。
先日、スペさん猫の首輪について話してくれたじゃないですか。
それで迷子札の重要性に気づいて、自作していたんですけど・・・。
難しいですね〜。
軽くて小さくて、でも文字をしっかり記載しなきゃだし。
うむ、良い心掛けじゃないか。
だが、住所情報を記載出来るのは迷子札だけではないぞ。
マイクロチップを使用することもひとつの手だ。
マイクロチップって、動物の体内に機械埋め込むっていうアレですか?
なんか可哀想ですよね〜、動物をロボット扱いっていうか。
ふむ、確かにお前のような意見を持った人間は非常に多い。
倫理的にも道徳的にもあまり良くないイメージがあるというかな。
そうですね、なんか痛そうですし。
だが、一度立ち止まって耳を傾けて欲しい。
マイクロチップには、猫と飼い主にとって大きなメリットがある。
マイクロチップの具体的な内容だけでなく、それに対しての考え方について話そうとスペは思う。
聞いて欲しいな。
はい、お願いします!
そもそもマイクロチップとは?
マイクロチップとは一体何なのかというところから簡単に話していこう。
マイクロチップとは、直径1.4~2mm×長さ8~13mmの円筒の形状で、外側に生体適合ガラスやポリマーを使用しており、識別番号である15桁の数字を記録している電子標識器具のことを指す。
このマイクロチップを皮下注入することで、猫の体内に埋め込むんだ。
もし万が一億が一猫が迷子になった際、動物保護施設や動物病院などで専用リーダーでスキャンすることで識別番号を読み取り、住所が分かるという仕組みだな。
このスキャン時以外には、マイクロチップから電波は一切発生しない。
そして、生体適合ガラス・ポリマーを使用していることから、猫の身体に悪影響な副作用はほぼ無いと言われている。
GPS発信機みたいに思っていましたが、超小型メモリーって感じですね。
ああ、そんな感じだな。
・マイクロチップとは、迷子対策のための電子標識器具。
・猫の身体に悪影響はほとんど無い。
マイクロチップの3つのメリット
早速だが、マイクロチップのメリットについて話していくぞ。
猫が迷子になっても、再会できる
シンプルにして最大最強のメリットだ。
マイクロチップの存在意義とも言える。
様々なケースで猫が迷子になってしまい、家に帰れなくなってしまう事は多からずだが、確かに存在する。
・近所を走って探し回る。
・迷子のチラシを街中に掲示する。
・SNS、ネットなどで目撃情報を募る。
・警察、動物愛護団体に連絡する。
もし万が一億が一猫が迷子になってしまった際、多くの飼い主は上記の対応策をとると思う。
とても重要で大切な4つの行動だ、有事の際は是非やって欲しい。
しかし、ここでマイクロチップの存在がさらに重要になってくる。
迷子になってしまった猫は一時的に野良となり、街中を徘徊することになる。
そういった猫を飢餓や病気、事故や怪我などから守るために動物愛護団体の元に収容されるケースが多い。
そうなった場合、警察や施設の人間は当然どこの家の猫か分からない。
首輪をつけていなければ野良猫か家猫かすら分からない。
それでも猫は飼い主を待っている、ずっとだ。
しかし、マイクロチップはそういった事態を回避させ、迅速な事態の収束に大きな一役を買っているんだ。
首輪は外れてしまうことが往々にあるが、マイクロチップは絶対に体から外れない。
こう言った点からもマイクロチップは猫にとって大きなセーフティーだと言えるだろう。
飼い主の安心に繋がる
二つ目のメリットは、飼い主が安心することによって心の余裕が生まれる、だな。
一つ目のメリットが大き過ぎて隠れがちだが、スペはこの点も大切だと思うぞ。
何が言いたいか説明していこう。
迷子になった際にマイクロチップが役に立つことは理解して貰えたと思う、猫にも飼い主にもメリットとなることだ。
だが、飼い主の心に関係するメリットがある。
抽象的でピンと来ない人が多いかもしれないな。
最悪の最悪万が一億が一猫が迷子になってしまっても、「マイクロチップがある」という安心感の大きさは馬鹿にはできない。
室内飼いと放し飼いという2つの飼い方のどちらが良いかという難しい問題は今回のテーマから少し逸れるので深掘りはしないでおくが、どちらの飼い方をしていても猫が迷子にならないように気を遣っているはずだ。
自分の愛する猫が迷子になってもいいと思う飼い主はこの世に一人もいない。
室内飼いの飼い主は外に通じる扉や窓の開閉に気を使うし、放し飼いの飼い主はちゃんと猫が帰宅しているか気を使うだろう。
室内飼いの飼い主多いこの時代、窓から猫が飛び出しそうになって、心臓がギュッと縮む経験をしたことが1度はあるはずだ。
そして窓が空けっぱなしになっているだけで気持ちが落ち着かないこともあるだろう。
素晴らしい気遣いであると同時に、どこか人間の細長く小さな精神的負担があるとスペは思う。
マイクロチップを使用することで、幾ばくかその負担を軽くできるとスペは考える。
勿論、マイクロチップを使用しているから「迷子対策は完璧だ、何も気にしなくていーや」ということでは断じて無い。
普段から迷子対策を意識する上で、マイクロチップという防波堤の存在が大切だということだ。
人間である以上ヒューマンエラーは必ず起きてしまうものだし、後述するが震災には抗いようがない。
そう言った予測できない事態に対して「自分は先手を打って対策している」という事実が、飼い主の心の余裕に繋がるんだ。
猫を幸せにするのは飼い主だ、その飼い主の心の余裕が大切である事は言うまでも無い。
どうか大袈裟だと切り捨てず、心のどこかに留めておいて欲しいな。
捨て猫が減る
あまり気持ちの良い話では無いので、手短にサッと話そう。
心無い飼い主よる猫の育児放棄を防ぐことができる。
捨てても持ち主が分かると言うことだな。
話していて悲しいが、マイクロチップでそう言った悲劇を減らせるぞ。
・マイクロチップを使うと、猫が迷子になっても高い可能性で再会できる。
・マイクロチップを使うと、飼い主の心の余裕に繋がる。
スペさん、マイクロチップのメリットは確かに分かりましたよ。
でも、猫は痛くないんでしょうか?
それに生き物の身体の中に何かを埋め込むってのは、やっぱり抵抗ありますよ・・・。
うむ、ある意味当然の意見だな。
冒頭でも言ったが、お前のような考えを持つ人間は非常に多い。
マイクロチップを否定したいんじゃなくて、なんていうか・・・。
上手く言えないんですけど、これも「正解がない」ってヤツでしょうか?
ああ、確かに明確な正解は無いな。
この世の中には、本当に様々な考え方がある。
相当にセンシティブな部分でもあるんだ。
少し踏み込んだ話をしよう。
マイクロチップは反道徳的、反倫理的か?
猫にまつわる正解の無い問題は多い。
保護猫の譲渡問題、室内飼い放飼い問題、避妊去勢問題といった様々な繊細かつ重要な問題があるが、マイクロチップの義務化問題もその中のひとつで明確な答えは無いとスペは考える。
マイクロチップに否定的な意見が多いことは否めない。
「猫はロボットじゃない、機械を埋め込むなんてかわいそうだ」
「室内飼いを徹底しているし、意味が無い」
「猫が嫌がることをしたくない」
上記のような意見をよく聞く。
猫への優しさ故の否定的な意見と言う感じだな。
一方で肯定的な意見もある。
「猫の安全を考えれば、装着させることは必須だ」
「時代の移り変わりに飼い主は対応する責任がある」
「注射や投薬と同じ、認知度が低いだけ」
上記のような意見を聞くことも多い。
大まかに分けると、数ではマイクロチップ装着否定派が肯定派を上回る印象だな。
しかし、マイクロチップの認知度は年々ものすごい速さで拡大している。
マイクロチップの装着は努力義務であって強制ではなかったが、動物愛護管理法が改正され、2022年6月からペット販売業者にマイクロチップの装着義務が施工されたんだ。
要はペットショップやブリーダーの猫たちには必ずマイクロチップが装着されていると言うことだ。
この改正に賛否の様々な意見が出ている、しかし事実マイクロチップのペット販売業者の装着は義務化された。
飼い主は努力義務でしかないが、そう遠くない未来で飼い主にも義務づけられるとスペは予想している。
このことからマイクロチップの悪いイメージが払拭され、猫にとって良いことだというイメージが浸透し始めていると言うのが、実際の今の現状だな。
なるほど、世の中の常識が変わりつつあるって感じですね。
それに、近年ではある出来事によってマイクロチップの必要性が非常に強く再確認されることとなった。
しんたろ、何か分かるか?
迷子猫が同じタイミングでそれも大量に生まれてしまう出来事だ。
あ・・・。
震災・・・。
そうだ、災害だ。
まだ記憶に新しい東日本大震災、この震災によって数えきれないほどの住所不明の猫が保護された。
勿論マイクロチップを装着している猫は、飼い主と高い可能性で再会することができた。
しかし、今以上にマイクロチップの認知度が低かった当時は、多くの猫が飼い主と引き離されることになったんだ。
このことからマイクロチップの重要性が考え直され、現在の認知拡大につながっている訳だ。
今スペは、大分マイクロチップ肯定派寄りの話をしている。
こんなテーマの話をするくらいだし、スペはマイクロチップの装着を勧めている。
だが、是非覚えておいて欲しいことがある。
本当に様々な考えがある。
「愛する猫のため」と言う枕詞がつくだけで、人間は容易く頭が硬くなり、視野の広さを失ってしまう。
・注射は普通にさせているのに、何故マイクロチップはダメだと思ったんだろう?
・自分は、周りがやっているかどうかでしか判断していないのか?
・そもそも、自分は何が目的なんだ?
一度立ち止まり、猫と自分の幸せのために自分自身が納得して行える行動か考えてみて欲しいんだ。
これは単純ではあるが本当に難しい、言うは易しだ。
自分自身と猫と相談し、納得出来るのであれば、是非マイクロチップの装着を検討してみて欲しい。
どんな形でも、飼い主の愛情は必ず猫に伝わるぞ。
・様々な考えがあり、猫の飼い方に正解はない。
・多角的な視点を持って飼育を考えることが大切。
スペさん、マイクロチップってどこで装着できるんですか?
飼い主が自分の手でやってもいいんですか?
いや、装着の施術は動物病院のお医者先生しかできないんだ。
人間にとってのピアスの穴を空けるような感覚とは全く異なる。
つまり動物病院一択だな。
具体的な流れとか費用とかはっきり分からないと、不安ですよね・・・。
ああ、当然の不安だな。
説明するぞ。
ありがとうございます!
マイクロチップの装着から情報登録までの流れ
さて、マイクロチップ装着の流れをざっくりと説明していくぞ。
- 動物病院に来院。
- マイクロチップを実際に猫に注入。
- マイクロチップの15桁の動物IDを所得。
- 日本獣医師会に所得したIDと住所氏名を登録申請。
- ID記載のハガキや申込書控を大切に保管。
さて、①だが一つだけ注意点がある。
マイクロチップを装着できるのは、生後1ヶ月を迎えた猫のみになる。
ある程度身体が発達していないと、不可能だということだ。
②は実際に猫にマイクロチップを埋め込む施術だ。
手術ほど大掛かりなものでなく、1時間〜半日程の時間で施術は終了する。
早ければ数十分だ。
感覚としては、手術というより注射という感じだな。
首の後ろの皮下部分に専用のインジェクター(注入器)を用いてマイクロチップを注入する。
お医者先生曰く痛みは普通の注射と大差ないそうだ、まあそもそも注射は痛いしな。
注入したマイクロチップは基本的に一生涯そのままで問題無い、30年は機能し続けるからな。
③はマイクロチップの中身の15桁の数字だ。
この時点ではまだタダの数字でしかない。
④公益社団法人日本獣医師会に登録申請し、データベースに住所氏名などを登録することで初めてマイクロチップが機能する。
動物病院でのお医者先生から必ず案内があるので心配しなくて大丈夫だ。
登録用紙を郵送するでもオンライン上で登録申請するでも良い、拍子抜けするほど簡単だぞ。
⑤そして何気に重要なことが、登録情報記載の紙やID記載のハガキを大切に保管することだ。
有事の際に肝心のIDが分からなければ意味が無い、すぐに取り出せるような場所に大切に保管して欲しい。
・マイクロチップは生後1ヶ月以上の年齢の猫から装着できる。
・マイクロチップ注入の際の痛みは注射と大差は無い。
・施術後は、日本獣医師会に登録申請する必要がある。
・登録情報記載の紙は、すぐに取り出せるように大切に保管する。
僕は登録用紙を通帳とかの貴重品と一緒にして保管することにしますね。
絶対場所忘れませんし。
ああ、悪くない保管の仕方だぞ。
マイクロチップに関わる費用
スペさん、気になるお値段ですけど、おいくら程するんでしょう?
なんだか凄く高そうです・・・。
動物病院によって多少変わるが、大体これくらいの費用だな。
マイクロチップ本体 + 施術費 = 3,000〜8,000円
マイクロチップID登録費 = 300〜1,000円
ID登録費は、紙での登録が1,000円に対しオンライン登録だと300円だからそちらがオススメだぞ。
合計しても1万円を超えることはまず無いだろう。
おお、思ったよりよりも高額ではありませんね!
しかも、住んでいる場所によっては自治体がマイクロチップに関わる補助金を出していることもある。
一度自分の自治体を調べてみてくれ。
それだけマイクロチップ装着を薦めているんですね。
僕のところの自治体はどうだろうな〜。
・マイクロチップに関わる費用は、1万円以内に収まる。
・自治体によっては補助金が使える。
まとめ
さて、今回はマイクロチップについて話をした。
しんたろ、少しは理解できたか?
スペさんの話を聞いて、マイクロチップに対するイメージが大分変わりましたね。
うむ、最後まで話を聞けて偉いぞ。
だが、一度に全てを理解する必要は無い。
分からないことがあれば、またその時に学べば良い。
はい!
マイクロチップにフォーカスして話したが、スペが一番伝えたかった肝は「猫の飼い方には様々な考え方がある」ということだ。
考え方一つで、モノの見方が変わってくる。
マイクロチップにも多くの側面がある、多角的に見た上でマイクロチップの自分なりの定義を見つけて欲しいぞ。
考え方次第で、マイクロチップは非道徳的な行為にも猫の安全を考えた愛情にもなるってことですね。
ああ、お前たち人間は気付かないうちに誰しもが時間と共に頭が硬くなり、思考の幅を狭めてしまう生き物だ。
そういう時に一度立ち止まり、自身の考えを見つめ直して欲しいな。
そういう柔軟さって、なんとなく猫から学べそうですね。
お前良いこと言うじゃねーか。
そうだ、スペたち猫から学べ。
・マイクロチップとは、迷子対策のための電子標識器具。
・猫の身体に悪影響はほとんど無い。
・マイクロチップを使うと、猫が迷子になっても高い可能性で再会できる。
・マイクロチップを使うと、飼い主の心の余裕に繋がる。
・多角的な視点を持って飼育を考えることが大切。
・マイクロチップは生後1ヶ月以上の年齢の猫から装着できる。
・マイクロチップ注入の際の痛みは注射と大差は無い。
・施術後は、日本獣医師会に登録申請する必要がある。
・登録情報記載の紙は、すぐに取り出せるように大切に保管する。
・マイクロチップに関わる費用は、1万円以内に収まる。
・自治体によっては補助金が使える。
・様々な考えがあり、猫の飼い方に正解はない。
最後までスペの話を聞いてくれてありがとう。
猫に対して何かしてあげられるお前の飼い猫は、きっと幸せだぞ。