今回はこんなことを考えている人間たちに対して、スペは話がある。
・犬と猫って仲悪そう・・・。
・家に猫がいるけど、犬飼いたい!
・家に犬がいるけど、猫飼いたい!
このように猫と犬の共生について悩みを抱えている人間は多いだろう。
種族の異なる生き物と同じ空間を共有することは想像通り容易では無い。
しかし、「猫がいるから犬が飼えない」「犬がいるから猫が飼えない」と切り捨ててしまうことはあまりにも勿体無い。
様々な動物と家族になりたいと言う貴方の考えは掛け値無しに尊く素晴らしいものだ、大事に思って欲しい。
スペの今回の話を聞くことで多くの気付きを得ることが出来、犬猫の共生に明るい希望を見出せるだろう。
スペはペット看護士・ペットセラピストなどの資格を有している、安心して楽に話を聞いて欲しい。
きっとこのように感じて貰えるだろう。
猫と犬、そして飼い主の幸福に繋がるはずだ。
冒頭
おかえり、しんたろ。
・・・うん、どうしたんだ?
スペさん、ちょっと聞いてくださいよ!
今日「猫と犬どっちが可愛いか」で議論になったんですが、犬派の方が多かったんですよ!
ぐぬぬ・・・!
落ち着けよ。
どっちも可愛いで良いじゃないか。
ダメです。
きのこたけのこ戦争と同じで、相容れないんです。
まあ、気持ちは分からなくも無いし、議論としてその方が面白いのも分かる。
しかし、当人の猫と犬は仲良く一緒に暮らしていけるんだぞ。
人間も見習ったらどうだ?
え、猫と犬って仲悪いと思ってました。
YouTubeの動画とかで犬猫が仲良くしてるのたまに見かけますけど・・・。
一緒に飼えたとしても、ごく少数のレアケースなのかなーって勝手に思ってました。
うむ、確かに世間一般のイメージでは犬猫の共生は中々にハードルが高いと言うのが現状だろう。
しかし、適切な迎え入れ方を行うことが出来れば、決して難しいことではないぞ。
そうなんですね・・・!
折角だ。
今日は、新しく犬、または猫を家族に迎え入れるオススメの方法について話してやろう。
ありがとうございます!
ジャクソン・ギャラクシーの猫を幸せにする飼い方
さて、本題に入る前にこの本を紹介しなければならない、「ジャクソン・ギャラクシーの猫を幸せにする飼い方」だ。
今回の話は、この本の内容を引用し、下敷きにさせて貰った話となっている。
この本は著者であるジャクソン・ギャラクシーさん(訳:プレシ南日子さん)が書かれた猫の飼い方についての本だ。
あまりの専門性の高さ、濃密な量のため、家庭用の飼育本と言うよりは専門書や辞書のようなイメージに近い。
とはいえ素晴らしい本であることに一切の疑いは無い。
数多くの猫の本が世に溢れているが、猫を飼う者の「必携の書」と自信を持って言える本は、今の所この本がナンバーワンだとスペは私見している。
分厚くてすごい難しそうですけど、ためになることがたくさん書いてありますね。
ああ、本当にためになる本だぞ。
猫と人間の心理的・本能的な観点から様々な情報が記載されている。
積読になってしまったとしても、死ぬまでに本を開くチャンスがあるのなら、思考停止で購入して手元に置くことをオススメする。
新しい犬・猫について詳しく知る
まず最初に起こす行動は、新しく家族になる犬・猫の細かい情報を得ることだ。
当然だが、とても重要なことだな。
上記のことを猫と犬、そして飼い主にも伝えることが前提となる。
そのためには、お互いのことを相手のことをどう言う生き物なのか知る必要があるんだ。
品種ではなく、個々を見る
動物の譲渡に関わる人間の間では、異なる生き物がいる家庭に譲渡するべきではない犬種猫種について議論が続いている。
攻撃的な品種や狩りに積極的な品種など、傾向は確かにある。
しかし、それだけを頼りに判断してしまうことはあまりにも危うい。
身も蓋も無い言い方だが、結局は個々の個性の相性によるところがもっと大きなウエイトを占めている。
紋切り型の情報のみではなく、その犬猫個々の性格や経歴を知って欲しいな。
品種は「その傾向が強い」程度にとどめておけ。
極端な例だが、人間でも「大阪在住の奴は面白い」とか「九州在住の奴は酒に強い」とか、そういうのあるだろう?
北海道在住で雪嫌いとか沖縄在住で海嫌いとかね。
かぶせなくていい。
犬に訓練をしておく
犬に限った話だが、先住者か新入りかにかかわらず、訓練して声で命令に従うようにしておくことが好ましい。
後述するステップを行うにあたり、大きなアドバンテージとなり、安全かつ安心に進めることが可能になる。
ここで強く言いたいことは、訓練しなければならないというだけの理由で、気に入った犬を迎え入れることを諦めないで欲しいんだ。
貴方がその気になれば、訓練によってきっと犬は応えてくれる。
ドッグトレーナーに頼るのも立派な一つの手だ。
プロに数回トレーニングをして貰うことで、犬のためになることは勿論、飼い主にとっても大きな経験となる。
引き合わせ初期の飼い主と犬・猫が感じるフラストレーションを大幅に減らすことが出来る。
是非、選択肢に入れておいて欲しい。
なるべくトライアル期間を設けるようにする
犬猫に限った話ではないが、数週間ほどの様子見の期間が設定出来るように取り計らうことも重要だ。
何故なら共生とは「実際に一緒に暮らしてみないと分からないことが圧倒的に多い」からに他ならない。
個体差によるところが多いことを前述したが、相性によってはどうしても共生が出来ない犬猫は存在する。
後述する迎え入れの方法を行うことで限りなく犬猫の共生は可能になるが、絶対では無い。
逆を言えば、トライアルで一緒に暮らすことで多くのことを知ることが出来る。
様々な迎え入れ先があると思うが、是非トライアル期間を設けられるようにしてみて欲しい。
犬猫のみならず、飼い主のためにも悪く無いことだぞ。
・品種ではなく、個々を見る
・犬に訓練をしておく
・なるべくトライアル期間を設けるようにする
3つの環境の準備を行う
次は迎え入れる環境を整えていこう。
前項が情報の準備なら、今項は環境の準備となる。
先住猫がいて新しく犬を迎える場合も、先住犬がいて新しく猫を迎える場合も、同様の準備をして欲しいんだ。
では、一つずつ説明していく。
餌の出しっ放しをやめる
もし四六時中好きなタイミングで餌を食べられるようにしている人は、規則正しい食事に切り替えることをおすすめする。
犬がキャットフードを食べてしまうことや猫がドッグフードを食べてしまうことを防ぐためだ。
リビングのキャットリフォームをする
キャットリフォームとは、この場合猫のための縄張りとなる環境作りのことを指す。
つまり犬が立ち入ることの出来ない猫にとって安心できるスペースを確保することで、犬と猫双方のより良い距離を保つことが出来るという訳だな。
仲の良い悪いでは無く、住居を共にする上でお互いのパーソナルスペースを確保することで円滑な関係を築くことが出来る。
お前たち人間だって同じことだろう?
確かに・・・。
ルームシェアでも同棲でも四六時中一緒にいるとしんどいですよね。
猫の避難場所のために、垂直方向の空間を適切に使う必要がある。
具体的にはキャットタワー・キャットウォークといった犬が届かない高さの空間を作り出すんだ。
犬、猫たちはお互いを観察し、危険な存在ではないかの確認を行う訳だが、とりわけ猫は観察を重視する生き物だ。
・犬はどう動くのか?
・犬が立てるあの音は何か?
・この匂いは何か?
・どうして犬は○○に興味を持つのか?
上記のように猫は安心して観察し、犬を安全な生き物だと認識することが出来る。
心地良く観察するための見張り台にして、避難場所にもなる。
縄張り意識の高い猫のパーソナルスペースを作ることは非常に重要だ。
猫のトイレのリフォームする
猫のトイレのリフォームが重要な理由は、ほとんどの犬が猫用のトイレに引きつけれられるからだ。
あまり気持ちの良い話では無いが、猫の糞はタンパク質が豊富で場合によって犬には素晴らしいおやつになる。
猫がトイレに入っている際に犬が周りで猫の排泄を待っていたら、猫は落ちついて排泄できず、間違いなく大きなストレスとなる。
それを回避するためにも、以下の3点にフォーカスしてトイレ環境を整えよう。
カバーを付けなければ、猫の逃げ道を確保出来る。
猫は360°見回せる状態でトイレに入り、立ち去ることが出来る。
基本的には①と同様の理由で、逃げ道を確保する必要がある。
トイレの設置場所を人間の都合のみで考えず、猫の導線を考えた上で決めて欲しい。
猫がギリギリ通れる隙間だけドアを開けておき、その部屋にトイレを設置することで猫は安心して排泄を行うことが出来る。
猫の糞を食べてしまう犬を責めることはお門違いだ。
犬を飼う以上、人間がコントロールしてやることこそ重要なんだ。
前もって手を打っておくことが大切ですね。
・餌の出しっ放しをやめる
・リビングのキャットリフォームをする
・猫のトイレのリフォームする
迎え入れの6つのステップ
さて、いよいよ迎え入れの具体的な手順を説明しよう。
ステップ1「犬・猫が初めて敷居を跨ぐときの対応」
猫のいる家に新しく犬を連れてくる場合、何よりも重要なことはリードだ。
飼い主は絶対にリードを離してはならない。
犬が新しい環境に触れ、猫を発見し、新鮮な何かが目に映ったとき、犬がどのような行動に出るか見当がつかないからだ。
故に強固な信頼関係が出来上がるまで、犬と猫が同じ空間にいるときはリードによってコントロールする必要がある。
迎え入れ初期にこそ、是非とも取り入れて欲しいことだ。
犬のいる家に新しく猫を連れてくる場合は、まず家に迎え入れたら猫が安心出来るベースキャンプのような犬の立ち入らない場所に直行するんだ。
これは今回のケースに限った話ではなく、どんな動物がいる家に猫を迎え入れるときも、新しい猫をベースキャンプを設置してそこからスタートさせることだ。
猫の縄張りを徐々に広げて作り上げるという自信を確立するための大原則だ、無理に犬のいる空間に馴染ませる必要は無い。
ステップ2「ドアを挟んで食事する」
この方法は、ゆっくりと慎重にお互いを慣れさせることを目的としている。
餌が与えられるたびにお互いの匂いを嗅がせることで、相手の匂いが何か良いもの(この場合は餌)をもたらしてくれると思うようになる。
これは猫同士でも有用な方法だ。
しかしながら、猫と犬の場合と、猫と猫の場合では異なる点をいくつか頭に入れる必要がある。
嬉しかったり、興奮したり、怒ったりすると、犬はどうしても吠えることを避けられない生き物だ。
犬が突然吠えると、当然ながら猫は縮み上がり、好印象を持たせる今ステップに支障をきたす。
故に慎重過ぎるくらい慎重になる必要があるということだな。
吠えるだけでなく、ドアの向こうの猫への好奇心のあまりドアに突進してぶつかってしまう可能性すらある。
猫はドアの向こうの生き物を恐ろしい生き物だと認識し、警戒心を生みかねない。
こういった点でも前述したリードの存在が効果的なんだ。
ステップ3「匂いの交換」
3つめのステップは、お互いの匂いを嗅ぐことで、お互いの存在を慣れさせる、だな。
犬も猫も嗅覚が優れている動物なので、このステップは特に大切だと言って良い。
お互いのベッドやおもちゃを交換することで、相手の情報を集めることが出来るんだ。
ステップ4「場所の交換」
次は犬と猫のベースキャンプの位置を交換してみよう。
ステップ3「匂いの交換」と目的はほぼ同じだが、お互いの情報をより一層交換し合うことが出来る。
猫と猫の場合でも方法としては同様で、お互いの存在が縄張りを犯すものでは無いという認識が目的だ。
しかし、犬では少し意味合いが変わってくる。
自分にとって危険がないかの確認というよりも、好奇心を満たし自由に探検できる機会といえる。
ちなみにだが、猫に犬の場所を探検させる場合、犬を散歩に連れて行っているときが絶好のチャンスなのでオススメだ。
ステップ5「相手を見せる」
ステップ3、4が嗅覚によって慣れさせる方法に対し、今ステップは視覚によって刺激を与えてお互いを慣れさせる方法となっている。
・ドアを少しだけ開けて、隙間を作る。
・ペットゲートなどの柵を利用する。
・毛布などを使って徐々に姿を見せる。
上記のように様々な工夫で視覚的な刺激を与えることが出来る。
このステップだが、注意して欲しいことがある。
犬も猫もどちらかが興奮しすぎたり怖がったりなど過剰な反応を見せる際は、ワンステップ戻り、今までのステップを何回か繰り返そう。
個体差や相性がある、飼い主は焦らずにしっかりと自分の今までの家族と新しい家族の様子を見てあげて欲しいぞ。
互いの姿を完全に見せ合っても、猫が1本も毛を逆立てなかったり、犬が吠えても猫が耳を倒して威嚇しなければ、このステップは完了したと思って貰って構わない。
最後のステップへ移ろう。
ステップ6「合流セッション〜犬と猫〜」
最終段階のステップは、実際に犬と猫を対面させ自由にさせてみる、だな。
とはいえ飼い主はただ様子を眺めているだけではなく、観察以外にもやるべきことがある。
この行為の目的は大きく2つある。
ひとつは、より良いコンディションで対面させるためだ。
遊びたらずにエネルギー発散不足だったり、不機嫌だったりとマイナスな状態でお互いを引き会わせることは好ましくない、どういう結果になるか想像し易いだろう。
もう一点は、犬は猫と、猫は犬と会うと「自分にとって何か良いことが起きる」という刷り込みが出来るからだ。
そして、この対面の締めくくりは、食事で締めくくろう。
この食事を取るかどうかでこの1日の印象がガラリと変わる、忘れずに給仕しよう。
参考文献の著者であるジャクソンさんは、15秒でも平和に空間を共有できれば、全く問題は無いと語っている。
大袈裟に聞こえるかもしれないが、長いスパンで15秒ずつこのステップの時間を増やしていければ、ジェットコースターのようにあるとき突然自由落下を始め、勢いに乗って走り出す瞬間が来る。
そして、家庭内にグループのリズムができ、全てがうまくいくんだ。
犬と猫は家族になれるぞ。
まとめ
さて、今回は犬と猫の共生について話をした。
しんたろ、少しは理解できたか?
はい!
しっかりと準備して、適切な出会わせ方をさせることで、わんちゃん猫ちゃんは仲良く家族になれそうですね。
うむ、最後まで話を聞けて偉いぞ。
だが、一度に全てを理解する必要は無い。
わからないときに、また学べば良い。
はい!
今回の話の土台となった本の著者のジャクソン・ギャラクシーさんは「バイペチュアル」という言葉をよく使っているそうだ。
バイペ・・・?
どういう意味なんですか?
それはな、「犬も猫も好きな人」という言葉だ。
「猫派」対「犬派」と対立して議論を交わすことは一興ではあるが、動物に関わるすべての人間がこのバイペチュアルになって欲しいと、スペは思うぞ。
本当にそうですね。
「猫がいるから犬飼えない」「犬がいるから猫飼えない」と言って選択肢から消してしまうことは本当に勿体が無い。
「猫も犬もどちらとも一緒に暮らしたい」という考えは本当に素晴らしい考えだ。
そんな考えを持った人間が飼い主なら、猫も犬もきっと飼い主を好きなる。
はい、何かと一緒にいたいって気持ちは大事にしたいものですね。
いやあ、僕ってばまた頭硬くなっちゃってましたね。
犬も猫と同じくらい可愛いですもんね!
は?
ジャクソン・ギャラクシーさんの見解を代弁しただけだ。
スペは、犬よりスペのような猫の方がぶっちぎりで可愛いと思っているぞ。
(・・・スペさん猫だもんな)
・品種ではなく、個々を見る
・犬に訓練をしておく
・なるべくトライアル期間を設けるようにする
・餌の出しっ放しをやめる
・リビングのキャットリフォームをする
・猫のトイレのリフォームする
・迎え入れには6つのステップが効果的
・猫と犬は家族になれる!
最後までスペの話を聞いてくれてありがとう。
猫に対して何かしてあげられるお前の飼い猫は、きっと幸せだぞ。