こんにちは、猫のスペッキオだ。
今回は、猫エッセイ本の「猫を飼うのをすすめない11の理由」について詳しく紹介していこうと思う。
この本は簡単に言えば、猫の素晴らしさを面白おかしく心に刻み込める本となっている。
・猫を題材にした面白い本ないかな?
・自分と暮らしている猫をもっと好きになりたい。
・楽しく猫の気持ちを理解したい。
上記のような人間に、ピッタリの作品だと言えるぞ。
スペの今回の話を聞くことで、この本が持つ素晴らしさをより良く知ることが出来るだろう。
きっとこのように感じて貰えるだろう。
本書の持つ凄まじいポテンシャルに震え上がり、思わず書店へ走り込みたくなるはずだ。
冒頭
スペさん、ちょっと聞いてくださいよ・・・。
うん?
どうした神妙な顔をして。
最近、知り合いに猫を飼うことを勧めているんです
ほう、それは素晴らしいことじゃないか。
ですよね!?
・・・でも、どーも上手く伝わらないんですよね。
スペさんと出会って猫の素晴らしさは分かっているつもりでも、人に伝えるとなるとまた別の問題って感じでして。
なんとか周りの人にも猫を飼って、猫の素晴らしさを知ってもらいたいんですよ。
なるほどな。
しんたろ、この「猫を飼うのをすすめない11の理由」と言う本を読んでみろ。
すすめない・・・?
スペさん、僕は勧めたいんですよ!
逆じゃないですか。
まあ、そう言わず読んでみろ。
この本はタイトルとは裏腹に、猫を飼う素晴らしさをコミカルにわかりやすく説明している本なんだ。
ほうほう、なんか読みやすそう。
今日はこの猫エッセイ本「猫を飼うのをすすめない11の理由」の持つ素晴らしさを紹介してやろう。
ありがとうございます!
「猫を飼うのをすすめない11の理由」とは?
さて、内容に触れる前に、簡単に本の概要を説明する。
「猫を飼うのをすすめない11の理由」とは2019年4月10日に株式会社サンマーク出版から出版された猫エッセイ漫画だ。
猫を飼うのをすすめない、と銘打っているにもかかわらず、内容は猫を飼うことの素晴らしさで埋め尽くされたものとなっている。
共感性の高い猫あるあるや猫たちとの何気ない日々の日常を独特のセンスで面白おかしく綴っている。
ニック、ポポロン、リュック、ソラ、ピーボ、すん日、村松くんの7匹の猫とその飼い主である著者の響介さんが登場キャラクターである。
猫をもっと好きになりたい、猫からもっと好かれたい人間にぴったりの1冊だ。
11の理由をざっくり解説
その1「人生の8割を持っていかれる」
著者の響介さん曰く、猫を飼うまず初めにすることは人生の8割を猫に費やす覚悟をすることだと言っている。
猫を飼うのでは無く、猫に自分が飼われる覚悟が必要らしい。
大袈裟だが、響介さんの人柄が出ている1文だな。
その2「スマホやPCの写真フォルダを劇的に圧迫」
これは代表的な猫飼いあるあるだな。
響介さんは100万枚以上の写真を有していると豪語している。
「なんで同じ写真が20枚くらいあるの?バカなの?」
ごもっともだ。
その3「布団でまともに眠ることはできない」
基本的に布団は猫のもの。
響介さんが使える布団の幅は10%ほどらしい。
その4「トイレだろうが何だろうがプライバシーはなくなる」
猫がトイレだろうとどこであろうと飼い主の跡をストーカーのように付いてくると言う微笑ましい事象のことだな
「おまえちゃんと砂にうんこできんのか?匂いちゃんと消せよ?」
トイレにて、飼い猫にこんなことを思われているとかいないとか。
その5「座ろうとしたり寝ようとしたりする場所にはだいたいいる」
人が存在できる全ての場所は猫の場所、だそうだ。
響介さんは、人間はそういった快適な場所を猫に譲ることを勧めている。
その6「部屋をおしゃれにしたり、置きたいものを置いたりできない」
テーブルの上のものは大概弾き落とされるという猫あるあるだな。
爪研ぎも覚悟するべきだと注意している。
その7「やばい顔をしているときがちょこちょこある」
可愛い可愛いと持て囃される猫たち。
しかし響介さんのところの猫は、白目をひんむき、ベロ出しっぱ、寝言にいびきは当たり前とのことだ。
だが、それでも可愛いと締め括っている。
その8「極論、家を失う」
猫と暮らすことを決めた時点で、ここはあなたの家ではありません。
響介さん曰く、「猫に家を借りている」という意識を持つことが大切だそうだ。
その9「休日が体感5分くらいになる」
休みに猫を見るのは危険。
猫の持つ不思議な魔力が働き、可愛さを愛でているだけで休日が終わってしまうそうだ。
素敵な時間は早く進むと言うやつだな。
その10「飼う前に思い描いていたよりはるかに人間感が強い」
暑ければ大股を広げクーラーの前に居座る、寒ければ布団から出るような愚行はせず、最低限の動きで生活。
そうだ、スペもそう思う。
猫はお前たち人間が思っている以上に、人間臭いぞ。
その11「ふと見渡すと、そこには幸せしかない」
これに関しては、これ以上何を言っても蛇足だな。
猫を飼うことは、幸せを得ることと同義だ。
本書が教えてくれる、素敵な3つのこと
猫の行動を人間にたとえ、置き換えることの大切さ
本書は猫飼いにとって様々な大切なことを教えてくれる。
当たり前のような、ハッとするような、そんな核心に触れるようなことが多い。
中でも特筆したい言葉が登場するエピソードが、本書のP95コラム「なぜ、視野に入るように邪魔してくるの?」である。
飼い主がテレビやスマホをじっと見ていると間に割って入ってきたり、パソコンのキーボードの上に立ち尽くしたりする、猫のあるあるだ。
一見人間とっては「邪魔だな〜」と好ましくない感情が生まれかねない行為だ。
しかし、猫たちからするとテレビを見ている人間は
「こいつ、四角い箱を永遠に見ていて動かない・・・・・・死んだんか?確認してみよう・・・・・・」
となる訳だ。
さっきまで普通にしていたやつが突然ダンボールみたいなものを見つめて2時間動かなくなったら怖くないか?と著者の響介さんは語る。
スマホを眺めている人間に対しても
「全感情を失い自分の手のひらを見つめて動かなくなった人間」
猫はこう思っているのでは?
その生存確認のために、わざわざスマホと顔の間に割り込んでくるのだろうと、書かれている。
そして、次の文章でハッとさせられた。
本当にその通りだと、スペは思う。
本書では著者の響介さんの腕によって面白おかしく読みやすいように様々なことが記述されている。
だが、そのコミカルな文章の中から、シンプルながらもハッとするような深い核心に触れることが読み取れる。
このように多角的な角度から物事を考えることは、猫に限らず重要なことだとスペは感じたぞ。
・猫の行動を人間にたとえ、置き換えることで、見えてくるものがある。
猫は、人よりも大切なものを思う気持ちが強い生き物
もうひとつ強く感銘を受けたエピソードがこちらだ。
本書のP125「大切なもの」にて、著者の響介さんは我々読者に「あなたにとって一番大切なものはなんですか?」と問いかけている。
引き合いに出た話として、響介さんが大切にしているハリーポッターのDVD BOXにまつわる話が書かれている。
大好きなDVDを自身の枕元に置いていたところ、飼い猫のリュックに足蹴にされたというなんとも微笑ましいエピソードだ。
響介さんはなぜリュックがそんなことをしたのかと考えたところあることに気がついた。
「僕の枕元」。それはすなわちリュックの居場所なのだ。
リュックにとってお気に入りの場所である枕元、つまり「大切なもの」を奪ってしまったと響介さんは反省する。
それぞれの猫たちに大切なものや場所があるのと同様に、リュックにもある「飼い主の枕元」と言う場所。
ちょっとオーバーだなと思う人もいるかもしれない。
だが、スペにはこの一文が強く印象に残っている。
相手の立場になって物事を熟慮しなければ出てこない結論だと思ったからだ。
人間の尺度で考えず、猫目線で「大切なもの」を感じてみると、意外な発見や、さらに愛くるしい一面が見られるかもしれない。
みんなの大切なものは、僕の大切なものだ。
このような素敵な言葉で、このエピソードは締め括られている。
・猫は、人よりも大切なものを思う気持ちが強い生き物である。
猫が何をしても、人間の解釈次第で幸せになれる
3つ目の特筆したいことにまつわるエピソードは本書P144「あまり知られていない猫の本当のやさしさ」だ。
著者の響介さんが体験した「猫と暮らしはじめる前に想像していたことと、だいぶ違った姿」について。
年中体調管理に気をつけている響介さんが40度の高熱で床に伏せてしまった時の話だ。
いつもは飼い主にお構いなしで大騒ぎの猫たち。
しかし、高熱でダウンしてしまったこの時はいつもと違ったそうだ。
寒がる響介さんの布団の中に入り温め、遊ぶ時間になっても静かに見守っていたそうだ。
まるで猫たちが飼い主の体調不良を察し、気遣っているかのように。
素晴らしい美談だが、本書で強調したいことは別のことだ。
肝は次の一文である。
この一文は、本当に素晴らしい。
本書を書評しようと決心した一文だ。
猫に限った話ではなく、自身の解釈次第で世界はいくらでも良いものへ変化し得る可能性があるということだ。
客観的に見れば歯の浮くような言葉だが、それを猫を介して見事に説得力のある深くて重厚な言葉にしている。
著者の人柄が強く現れている一文だ。
・猫が何をしても、人間の解釈次第で幸せになれる。
猫がよく喋り、飼い主はよく聞く
本書に登場する猫たちはよく喋る。
スペは特別な猫だから人語を解するが、普通の猫は喋らない。
しかし、本書の猫たちは見事なまでにおしゃべりだ。
これはキャラクターの陳腐な設定の話ではなく、著者である響介さんが猫の言葉を引き出し、そしてその言葉に真摯に耳を傾けている結果だとスペは考えている。
「日頃のお前の動きを見ていると、その図体と鈍さでは如何せん、獲物を捕まえられそうにないのがよくかる。
そんな鈍さではまともな狩りはおろか、生活すらできまい。メシにありつけず餓死されても困るのでな。
俺のような俊敏な動きを持ってすれば、これくらい朝メシ前なわけで、たまには分けてやるからこれからもがんばりたまえ」
響介さんが家に帰った際、玄関にトカゲや虫が猫によって捕えられていた時の台詞だ。
「俺じゃない。ほんと俺じゃない。見てたら勝手に縮んだって感じ。ほんとまじで俺じゃない。爪とか研いでないし、俺はこのボールの近くにはいたけど、ほんと俺じゃない。爪とか研いでないです。ただ見てただけ。
なんなら、ほんといい天気だから昼寝してるだけで、ほんと爪とか研いでないです」
これは誤って響介さんのバランスボールを爪で研いで壊してしまった時の台詞。
面白おかしく書かれていてセンスがあるから書ける、とも言えるかもしれないが、猫への愛情と猫の気持ちに耳を澄ます姿勢がないと書けない言葉と思う。
こういったコミカルな台詞たちが本書の読みやすさに一役も二役も買っているのではと、スペは思う。
・猫の気持ちに耳を澄ませれば、猫はお喋りになる。
まとめ
さて、「猫を飼うのをすすめない11の理由」の魅力について話した訳だが。
しんたろ、どうだ?
ええ、メチャクチャ良い本じゃないですか!
個人的に一番オススメしたいところは「読みやすさ」ですね。
僕みたいに普段から活字読まないような人間でもスラスラ楽しく読めちゃいます!
ああ、この本のストロングポイントのひとつだな。
それに読んでると、ハッというかギクっていうか核心に触れる部分が随所にありますね。
そうだ。
ついついセンス溢れるコミカルな文体に目がいきがちだが、この本の真骨頂はそういった「猫と暮らす」上での本質に真っ直ぐ向き合うことで著者が得た見識に他ならない。
よ〜し、僕の知り合いにもこの本勧めてみます!
この本なら猫を飼うことがいかに素晴らしいかズバッと感覚的に伝えられそうです。
ああ、無理強いしない範囲で試してみろ。
この本ならそれが十分に可能だとスペは思うぞ。
はい、ありがとうございます!
「猫を飼うのをすすめない11の理由」、猫飼いなら1冊は持っていて絶対に損は無いぞ。